エビデンス

35. 米国における女性に対する性教育

adash333

子どもの性教育って、どうするの?
学校にお任せしておけばいいの?
でも、大事なことだし、親からもしっかり教育すべきかしら・・・
 
そんなお悩み、ありませんか?
 
今回は、米国の性教育に関する調査を見てみたいと思います。
 
 
2015年に、ヴァンダーバーグ氏によって報告された調査です。

方法

若い女性に対する、正式な性教育および親による性教育に、人種/民族間の差があるかどうかを調査したものです。
2011−2013年に行われた米国の代表的な調査であるNSFG(家族の成長に関する全国調査)に参加した1768人の女性(15−24歳)を断面分析しました。

結果

(1)全体として、95%の参加者が何らかの正式な性教育を受けており、68%が正式な避妊教育を受けており、92%が正式な性感染症の教育を受けていたと報告しました。
 
(2)75%の参加者が親から何らかの性教育を受けたと報告していますが、親から避妊教育を受けたのは61%で、親から性感染症の教育を受けたのは56%でした。

(3)合衆国で生まれたヒスパニック(64%)や黒人(63%)は、白人(52%)よりも、親からの性感染症教育を多く受けていました。そのほかの教育の違いは、民族/人種間で見られませんでした。

考察

性感染症教育を白人女性よりも多く受けているマイノリティの人種/民族の女性ですが、白人女性よりも、性感染症や意図しない妊娠の割合が高いなど、性的健康への悪影響を経験しているそうです。
今回の報告では、性教育と性感染症などとの関連についてまでは調べられていませんが、今後、これらの関連について詳しいところが知りたいものです。

参考文献

Rachel H Vanderberg, Racial and/or Ethnic Differences in Formal Sex Education and Sex Education by Parents among Young Women in the United States, 2015 (エビデンスレベル★★☆☆☆)

ABOUT ME
えびちゃん
えびちゃん
6歳と3歳の二児の母。 夫婦ともに東大理三出身、東大医学博士。 「エビデンスに基づく教育」で、親も子どももハッピーになれる子育てを応援します。
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