30. テレビ番組を親子で見て会話にすると、共感力アップ

テレビや動画って、子どもに見せてもいいの?
見る意味はあるの?
そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。
今回は、そんな疑問に対するヒントになりそうな論文をご紹介します。
2016年にラスムッセン氏によって報告された調査です。
【方法】
合衆国南西部にある都市の11の公立・私立幼稚園から127人の子ども(2歳から6歳)とその親を集めて対象としました。研究を完了しなかった13組は、解析から除外した。
2つの異なるDVDを使います。
・最初のDVDはダニエル・タイガーズ・ネイバーフッドの30分間の別々のエピソードが10個入ったもの
・2つ目のDVDは、自然に関するドキュメンタリー番組の最初の30分間が10個入ったもの
親子は以下のグループにランダムに振り分けられます。
(1)アクティブな会話グループ
ダニエル・タイガーズ・ネイバーフッドのそれぞれのエピソードを親子で見て、その後2週間、それについてできる限りたくさん親子で話し合う。
(2)共同視聴グループ
ダニエル・タイガーズ・ネイバーフッドのそれぞれのエピソードを親子で一緒に見て、その後2週間、それについてできるだけ親子で話をしない。
(3)1人で見るグループ
ダニエル・タイガーズ・ネイバーフッドのそれぞれのエピソードを子どもだけで見て、その後2週間、それについてできるだけ親子で話をしない。
(4)コントロール
自然に関するドキュメンタリー番組のそれぞれのエピソードを子どもに見せるように指示するものの、その後2週間、それについて親子で話をするかどうかについての指示はしない。
【結果】
・ダニエル・タイガーズ・ネイバーフッドを見た子どもたちは、家庭での積極的な会話があった場合にのみ、より高いレベルの共感を示した。
・ダニエル・タイガーズ・ネイバーフッドを見た子どもたちは、親が頻繁に家での積極的な会話を行っている4.62歳未満の子どもの場合、子どもの共感と感情認識のレベルが高かった。
・ダニエル・タイガーズ・ネイバーフッドを見た子どもたちは、親が頻繁に家で積極的な会話を行っている低所得家庭の子どもである場合、自己効力感のレベルが高かった。
子ども向けのテレビ番組や動画を視聴した後に、親子でしっかりとそれについて語ることが大事なのかもしれませんね。
参考文献
Eric E Rasmussen, Relation between active mediation, exposure to Daniel Tiger’s Neighborhood, and US preschoolers’ social and emotional development, 2016 (エビデンスレベル★★☆☆☆)