エビデンス

8.勉強しなさいと言ってもこどもの勉強時間はほとんど増えない

adash333

中室(Nakamuro)らは、日本の小学校低学年の子どもを持つ親が、家庭での学習にどのようにかかわっているかについて、

(1)勉強をしたか確認している
(2)勉強を横について見ている
(3)勉強する時間を決めて守らせている
(4)勉強するように言っている

の4項目について、親自身の自己評価をもとに点数化し、「子供の学習時間がどの程度長くなるか」について調べました。その結果、

・父母ともに、勉強するように言っても、勉強時間はほぼ長くならないどころか、母親が娘に対して「勉強するように言う」と娘の学習時間は短くなる
・男の子なら父親が、女の子なら母親が、勉強を横について見たり、勉強する時間を決めて守らせるのがよい

ということが分かりました。
ただ、共働き家庭が多い現代、なかなか難しいので、困ったときは、学校や塾、家庭教師の先生などを含む身近な人にぜひ頼ってみましょうと、シカゴ大学のヘックマン教授や、教育経済学者中室牧子氏らは述べています。
とりあえず、こどもに口酸っぱく、「勉強しなさい」というのはほぼ無駄で、5分でも10分でも、子どもの横について、勉強をしているのを見てあげる(見られる子供は微妙かもしれませんが)のが、まずは大事そうです。

参考文献

中室牧子, 「学力」の経済学, 2015 (エビデンスレベル★☆☆☆☆)

More Time Spent on Television and Video Games, Less Time Spent Studying?, 2013 (エビデンスレベル★★☆☆☆)

ABOUT ME
えびちゃん
えびちゃん
6歳と3歳の二児の母。 夫婦ともに東大理三出身、東大医学博士。 「エビデンスに基づく教育」で、親も子どももハッピーになれる子育てを応援します。
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