エビデンス

16. 偏差値の高い大学に行っている人とそうでない人(大卒)での収入に差はない

adash333

「同じ大学卒なら、東大に行った方がお金持ちになれる?」

ということは無いそうです。

2013年に中室らは、

日本の大規模な一卵性双生児のデータと、偏差値データおよび学校基本調査(文部科学省)の学校別データを用いて、

「大学教育の質が、個人の卒後の賃金に与える影響」

を調べました。
その結果、いくつかの推計では、専任教員の構成(生徒対専任教員比率など)が統計的に有意になるという結果を得ているものの、総じてみれば、大学の質は賃金に影響を与えていないことが明らかになったとのことです。

つまり、高卒と大卒を比べると、大卒の方が生涯賃金が高いというエビデンスは多くあります(例:厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査)が、最終学歴が大学卒なら、どこの大学を卒業しようと、日本においては、賃金が大きく変わることは無さそうです。

なお、これは国によって異なり、米国で行われた研究では、小規模で、私立、博士課程を持ち、経験のある教員に対して高い給与を支払っている大学が、卒業生の賃金が高い傾向にあるそうです。

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11513838/www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis306/e_dis306.html

 参考文献

NAKAMURO Makiko, INUI Tomohiko, The Returns to College Quality in Japan: Does Your College Choice Affect Your Earnings? , 2013 (エビデンスレベル★★☆☆☆)

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えびちゃん
えびちゃん
6歳と3歳の二児の母。 夫婦ともに東大理三出身、東大医学博士。 「エビデンスに基づく教育」で、親も子どももハッピーになれる子育てを応援します。
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