エビデンス

1.能力ほめより、努力ほめ

adash333

アメリカの小学生を対象とした実験の結果、「こどものもともとの能力(頭の良さ)をほめると、子どもたちは意欲を失い、成績が低下する」ということが分かりました。

子どもたちにランダムに2つのグループに分けて、簡単なIQテスト(1回目)を実施して、異なるほめ方をします。
(1)「頭がいいね!」と能力をほめる(頭いいね群)
(2)「よく頑張ったね!」と努力をほめる(がんばったね群)
このようにほめた後、
・2回目の難問のIQテスト(2グループとも点数は低い)
を受けてもらい、さらにその後、
・3回目の簡単なIQテスト
を受けてもらいました。その結果、3回目のテストで、「頭いいね群」の成績が、「がんばったね群」と比べて低かったという結果になりました。

これは、「能力をほめられた子」の意欲が下がってしまい、「努力をほめられた子」の意欲は下がらず、問題に対して努力して頑張って取り組んだのではないかと、実験に携わったミューラー教授は考えました。
 
こどもがテストでよい点をとったとき、一緒に勉強していて問題を正解したときなどは、「よく頑張ったね!」とほめるのが、本人の学習意欲、将来の成績にとってよさそうです。
(頭いい!とほめるのは学習意欲を低下させる危険性があるので、やめておいた方がよさそうです。)

参考文献

Claudia M Mueller, Carol S Dweck, Praise for intelligence can undermine children’s motivation and performance., 1998 (エビデンスレベル★★★☆☆)

ABOUT ME
えびちゃん
えびちゃん
6歳と3歳の二児の母。 夫婦ともに東大理三出身、東大医学博士。 「エビデンスに基づく教育」で、親も子どももハッピーになれる子育てを応援します。
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